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2021/06/29 | 弁護士松坂徹也のコラム(43)「人類はコロナに打ち勝てるか」 |
人類はコロナに打ち勝てるか ウイルスから人間へのメッセージ 「地球上の生物のなかで我々ウイルスの登場は人間どもより早い、人間どもは後発のくせに地球の主かのように勝手なことばかりして地球環境を破壊し、地球を破滅へと引っ張っている、これは断じて許せない」 人間以外の生物、とりわけウイルスは、このようなメッセージを我々に発し続けています。しかし、人間はなかなか言うことを聞かないものですから、ウイルスは遂に怒り、人間に対し試練を与えました。人間を痛い目にあわせたのです。 「これまで人間どもは碌なことはしてこなかった、世界中の木を切り倒して、計画的な植樹をしないため自然が破壊され、他の動物の生きる場所を奪い、森の樹木から与えられる恩恵もなくなっている。そして、人間どもは次から次へと二酸化炭素を大量に排出して気候変動を招いてきた。又、原子力発電とやらをどんどん行い、地球を不夜城としてしまったが、この原子力発電は危険極まりない、なぜかというと原子炉のなかでウランを核分裂させ、放射線という害を持つ強大なエネルギーを作っている、これは街中に猛獣を入れた檻を置いておくようなもの、ひとたび檻(原子炉)が壊れてしまうと、猛獣(放射線)が街中で暴れまわってしまうということになる。そのうえ、使用済の核燃料の処分方法や最終処分場、廃炉の方策も決め切っていない。このままの状態が続くと地球は破滅してしまう、なんとかしなくてはいけない。ここらあたりで人間どもを強く懲らしめてやろう、約100年前、スペイン風邪で足かけ4年間懲らしめてやったが、100年の時の経過で人間はこのことを忘れてしまい、さらに不遜になった、今度はもっと厳しく懲らしめてやろう、まずは空を飛んで遠くまで移動する「こうもり」にとりつき、次にその他の動物を介して人間どもにとりついて感染させてやろう」 このようにして、今回の新型コロナウイルスは人間に感染しました。 このように考えることは、全く科学的根拠のない私の一方的な意見ですし、妄想といわれるかもしれません。しかし、地球上の生命体の活動、自然界の周期的な変動ともいえるバイオリズムという観点からものを考えてみると、全くの荒唐無稽とまではいえないでしょう。物事のありようを自然の摂理や地球観をもって考えることは必要であるように思います。 さて、そこで上述のような視点に立って我々人類は今後どのように行動すべきか、何をすべきかをコロナ対策の視点に立って考えてみたいのですが、まずは科学技術などの人間の英知を結集して、医療制度を充実させる、ワクチンを開発することはそれはそれで大切でしょう。又、緊急事態宣言を発出したり、街をロックアウトすることもそれなりに有用でしょう。 しかし、大切なことはもっと本質的なことに目を向けることではないでしょうか。ウイルスと人間との関係を上述のように考えると、人類より長くこの世にいるウイルスはとても手強い存在、それゆえ人類はウイルスに打ち勝つなど簡単にできることではなく、軽々しくそんなことを言うべきではない。ましてや、「コロナに打ち勝った証としてオリンピックを遂行する」などと馬鹿なことを言ってはいけない。コロナは株を変異したりして、徹底的に人間を打ちのめします。 ではどうすればいいのでしょう。我々人間のこれまでの「来し方」が正しかったのかを原点に立ちかえって静かに反省し、そのうえでこれからの「行く末」を考えてみることでしょう。外出を自粛していますから、ゆっくり考えることができるはずです。 コロナに打ち勝とうなどと浅はかなことを考えず「人間どもを懲らしめるのはもうこの程度でやめておこう」とコロナが思って去ってくれるよう「来し方」「行く末」をじっくり考えてみる、そして、その間安易に制限解除を求めたり、経済活動、社会活動の再開を声高に叫ぶのではなく、静かに耐え忍ぶ日々を送ることでしょう。行政からの指示や要請に従うのではなく、人間一人ひとりが自分のこととし、自発的に行うのです。降り続く雨はいずれやむでしょう。日照り続きによる水不足もそのうち雨が降って解決してくれるでしょう。これらでさえも人間は無力で「照る照坊主」を軒につるしたり、「雨ごい」をするしかなす術はありません。コロナウイルスへの向きかたも同じでしょう。打ち勝つことはできないのですから、こうするしかなく、そうしていればいつかコロナは去って終息へと向かうでしょう。 このような発想を持つこと、自然に対して畏敬の念を抱くことが必要と思えてなりません。 |