1 事案の概要
Yは、Aから投資話(架空話である可能性が極めて高い)の勧誘を受けて、このAの投資話を信用したため、平成14年11月から継続してAに送金していたが、平成15年6月頃から自己資金のみではAの指示する金額を送金することが出来なくなったため、XにAに対す投資を勧誘することとした。
Xは、YからAに対する上記投資話の勧誘を受けるとともに、AからはYの口座を介して投資金を送金するように指示を受けているなどと説明を受けたため、このYの説明を信じて、平成15年7月から継続してYに送金するようになった。
しかし、Xは、実際にはYから受けた説明とは異なって利益を得ることが出来ないまま多額の損害を負った。
そこで、Xは、Yに対し、貸金返還請求及び不法行為に基づく損害賠償請求をしたところ、1審判決が貸金返還請求を否定し不法行為に基づく損害賠償請求を認めたため、Yが控訴した事案
2 判決要旨
1審判決と同様にYの不法行為責任を認めた。
Yは、Aの投資話は極めて不自然であり、Aに投資しても返金の可能性がないことに容易に気づくことができたにもかかわらず、Aに必要な確認をしないままXを勧誘したこと、Y自身が既に損害を負っていたことをXに説明しなかったことなどをもって、YはXに対し過失による不法行為責任を負うとした。
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